神坂 郁祐(かみさか ふみひろ、1989年7月11日 - )は、愛媛県南宇和郡愛南町出身のプロ野球選手(投手)。
来歴[]
プロ入り前[]
小学生時代から野球を始め、中学生時代は軟式野球部に所属。
東宇和高では1年秋からエースの座に就く。1年秋の愛媛県大会で2戦連続ノーヒットノーランを記録してから好投手として一躍有名になり、2年夏には2年生エースとして甲子園に出場。この大会では初戦で敗退したが、続く3年春のセンバツでは最速147キロのストレートを武器にベスト4入りを果たした。3年夏には後にプロでもチームメイトとなる桜井将希らを迎え、準決勝で椎木渉を擁した茨城・常磐学館高を、決勝では豊島将吾を擁した大阪・東摂学園高を破ってチームを初の甲子園優勝へ導いた。
2007年高校生ドラフトでは、地元の愛媛ブルークラウンズのほか、東京ライオンズ、北海道ホワイトフォックス、東海グランパス、福岡レッドユニコーンズが1位指名した。抽選の結果東海がクジを当て、入団した。当時の背番号は47。
第1次東海グランパス時代[]
高卒ルーキーだった2008年は春季キャンプを一軍で完走し、オープン戦にも出場。オープン戦では結果を残せず開幕は二軍で迎えたが、二軍での好投が認められて6月に一軍へ昇格した。当初は救援として4試合に登板したが、のちに先発ローテーションの一角に加えられて10試合に先発。プロ初勝利を含む3勝をマークした。
2009年は開幕ローテーション入りを果たし、途中調整のため登録抹消された時期はあったものの19試合に登板。7勝7敗、防御率4.15をマークした。
2010年は1年を通して開幕ローテーションを守り通し、プロ初完投・初完封勝利を挙げるなど自己最多12勝を挙げ、規定投球回に到達し防御率も3.24をマーク。自身初のオールスターゲーム出場を果たした。
2011年は26試合に先発し、自己最多の15勝をマークして最多勝のタイトルを獲得。防御率も2.88をマークした。
2012年は途中左肘の不調を訴えて戦線離脱した時期もあったが、19試合の先発で10勝をマークして3年連続で2ケタ勝利をマーク。規定投球回には満たなかった。
2013年は復活し、25試合の先発で5完投2完封を記録。14勝9敗、防御率2.28をマークした。
2014年は26試合の先発で自己最多6完投を記録。13勝8敗、防御率1.97に179奪三振をマークして最優秀防御率と最多奪三振をマークした。オフには自身初のベストナインを受賞した。
2015年は自己最多28試合に先発し、自己最多を更新する16勝をマーク。200イニングも突破し、防御率は2.10をマークした。オフにはベストナインと沢村賞を受賞し、メジャーリーグ挑戦を表明した。
神坂の争奪戦にはアトランタ、セントルイス、ボルチモア、カンザスシティなどが参戦。代理人を経た交渉の結果、カンザスシティへの入団が決まった。
MLB・カンザスシティ時代[]
メジャーリーグ移籍1年目の2016年は先発ローテーションを期待され、神坂もその期待に応えるようにスプリングトレーニングでは好投を披露。開幕後はMLB初登板初先発初勝利を記録し、そのまま31試合に先発登板して13勝10敗をマーク。196.1投球回を投げて146奪三振、防御率3.16を記録し、アメリカン・リーグの新人王投票では2位に食い込んだ。
2017年は球速アップを目指したが、その影響で左肘を故障し開幕はマイナーで迎える。6月からはメジャーに復帰し、20試合の登板で7勝8敗、107.0投球回を投げて76奪三振、防御率4.46の成績を残した。
2018年は開幕ローテーションの一角を担ったが、成績不振でシーズン途中には救援への配置転換を経験。救援で持ち直したものの、37試合の登板(うち16先発)で4勝9敗、115.2投球回を投げ77奪三振、防御率4.75に終わる。オフにカンザスシティをDFAとなり、ピッツバーグへ移籍。
MLB・ピッツバーグ時代[]
ピッツバーグ移籍初年度の2019年はスプリングトレーニングでアピールし、好調さが認められて開幕ローテーション入りを果たすと、そのまま自己最多32試合に先発登板。7月には継投でのノーヒットノーランにも貢献し、最終的には16勝10敗をマーク。201.0投球回を投げて176奪三振、防御率2.91を記録し、ナショナルリーグのサイ・ヤング賞投票では3位につけた。
2020年も開幕当初は好調だったが、7月に左肩を痛めて戦線離脱してからはメジャーでの登板がなかった。この年は16試合の登板で8勝4敗、99.1投球回を投げて71奪三振、防御率3.44を記録している。
2021年は前年に左肩を故障した影響でメジャーでの復帰が8月にずれ込み、6試合の先発で2勝2敗、32.0投球回を投げて22奪三振、防御率4.22に終わっている。オフにトレードでシカゴ(ア)へ移籍。
MLB・シカゴ(ア)時代[]
2022年はシカゴ(ア)でプレー。前年までの故障の影響でこの年は救援投手としてプレーし、5月からはセットアッパーとして定着し61試合に登板。4勝2敗28ホールド2セーブ、61.1投球回を投げて48奪三振、防御率3.23をマークした。
シカゴ(ア)は2023年も神坂と契約する意思を持っていたが、神坂が先発投手としてのプレーを希望しており、残留交渉が難航。2023年1月中旬に入り、古巣の東海グランパスがオファーしたことで復帰を決意し、1月20日に東海への移籍に合意した。かつて背負っていた背番号47は東宇和高の後輩である高谷祐希に譲っていたこともあり、復帰後はかつて着用していた野村将大の了承を得た上で27を背負う。
東海グランパス復帰後[]
東海復帰1年目の2023年はスローペースで調整したが、開幕は一軍ローテーションの一員として迎える。若手の多い先発ローテ陣を引っ張り、打線の援護に恵まれず11敗を喫したものの10勝をマークし、日米通算150勝にNPB通算100勝と1000奪三振を記録。規定投球回にも到達し、防御率3.13をマークした。
選手としての特徴・人物[]
日本時代は最速147キロ、メジャーでは最速152キロをマークしたストレートをクロスファイア気味に内角へ突き、技巧派的に三振を量産するピッチングスタイルを取る。持ち球は高速スライダーを軸にパワーカーブ、3種類のチェンジアップ、スライダー、シュートなど多岐に渡る。
詳細情報[]
年度別投手成績[]
年 |
球 |
登 |
先 |
完 |
完 |
無 |
勝 |
敗 |
セ |
ホ |
勝 |
打 |
投 |
被 |
被 |
与 |
敬 |
与 |
奪 |
暴 |
ボ |
失 |
自 |
防 |
W |
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2008 | 東海 | 14 | 10 | 0 | 0 | 0 | 3 | 5 | 0 | 0 | .375 | 47.0 | 56 | 9 | 32 | 2 | 0 | 26 | 3 | 0 | 29 | 26 | 4.98 | 1.87 | |
2009 | 19 | 18 | 0 | 0 | 0 | 7 | 7 | 0 | 0 | .500 | 93.1 | 98 | 6 | 42 | 4 | 4 | 52 | 2 | 0 | 46 | 43 | 4.15 | 1.50 | ||
2010 | 24 | 24 | 3 | 1 | 1 | 12 | 5 | 0 | 0 | .706 | 150.0 | 146 | 6 | 45 | 4 | 3 | 108 | 1 | 0 | 59 | 54 | 3.24 | 1.27 | ||
2011 | 26 | 26 | 3 | 1 | 1 | 15 | 6 | 0 | 0 | .714 | 162.1 | 146 | 9 | 47 | 5 | 2 | 119 | 3 | 0 | 56 | 52 | 2.88 | 1.19 | ||
2012 | 21 | 21 | 2 | 0 | 2 | 10 | 4 | 0 | 0 | .714 | 132.2 | 119 | 5 | 40 | 3 | 2 | 94 | 2 | 0 | 50 | 46 | 3.12 | 1.20 | ||
2013 | 25 | 25 | 5 | 2 | 3 | 14 | 9 | 0 | 0 | .609 | 181.1 | 165 | 7 | 53 | 6 | 3 | 176 | 4 | 1 | 52 | 46 | 2.28 | 1.20 | ||
2014 | 26 | 26 | 6 | 3 | 4 | 13 | 8 | 0 | 0 | .619 | 187.0 | 146 | 6 | 49 | 7 | 4 | 179 | 3 | 0 | 46 | 41 | 1.97 | 1.04 | ||
2015 | 28 | 28 | 4 | 3 | 3 | 16 | 8 | 0 | 0 | .667 | 201.1 | 156 | 6 | 48 | 6 | 4 | 178 | 3 | 0 | 52 | 47 | 2.10 | 1.01 | ||
2023 | 23 | 23 | 2 | 1 | 1 | 10 | 11 | 0 | 0 | .476 | 146.2 | 135 | 13 | 47 | 6 | 5 | 125 | 2 | 2 | 56 | 51 | 3.13 | 1.24 | ||
NPB:9年 | 206 | 201 | 25 | 11 | 15 | 100 | 63 | 0 | 0 | .613 | 1301.2 | 1167 | 67 | 403 | 43 | 27 | 1057 | 23 | 3 | 446 | 406 | 2.81 | 1.21 |
タイトル[]
- 最多勝:1回(2011年)
- 最優秀防御率:1回(2014年)
- 最多奪三振:1回(2014年)
表彰[]
- ベストナイン:2回(2014年、2015年)
- 沢村賞:1回(2015年)
記録[]
- オールスターゲーム出場:6回(2010年、2011年、2013 - 2015年、2023年)
背番号[]
- 47(2008年 - 2015年)
- 18(2016年 - 2018年)
- 25(2019年 - 2021年)
- 16(2022年)
- 27(2023年 - )
登場曲[]
- 「ダンスホール」Mrs.GREEN APPLE(2023年)
- 「ハネウマライダー」ポルノグラフィティ(2024年 - )
関連項目[]
東海グランパス 2024 | |
監督・コーチ | |
監督 | 74 安達真一郎 |
一軍コーチ | 77 高垣雅久(ヘッド) | 76 山口敦哉(投手) | 78 大森尚哉(投手) | 72 大嶺嘉久(打撃) | 80 早川照信(打撃) | 84 中里賢(内野守備走塁) | 75 伊地知嘉治(外野守備走塁) | 81 水沢孝人(バッテリー) | 92 小川猛也(コンディショニング) | 93 栖原直哉(コンディショニング) |
二軍監督・コーチ | 71 北村昇平(監督兼外野守備走塁) | 73 青木祐一郎(投手) | 88 成田寿浩(投手) | 86 長谷川元樹(打撃) | 82 近藤凌介(打撃) | 89 脇谷良照(内野守備走塁) | 91 高橋淳(バッテリー) | 94 日笠裕典(コンディショニング) |
三軍監督・コーチ | 96 松原拓哉(監督兼内野守備走塁) | 79 小山忠久(投手) | 85 荻原俊介(打撃) | 83 森良太郎(外野守備走塁)| 87 岡崎一矩(バッテリー) | 95 高橋雅人(コンディショニング) |
支配下選手 | |
投手 | 11 関慶裕 | 12 神野知希 | 13 荒木直矢 | 14 櫻井政康 | 15 藤澤雅親 | 16 柿原翔也 | 17 新井優翔 | 18 桑原雄大 | 19 丹羽大賀 | 20 尾崎輝 | 21 安達峻 | 23 菊池健太朗 | 26 佐伯勇吏 | 27 神坂郁祐 | 28 小松海士 | 29 宮﨑涼輔 | 30 井上雅哉 | 31 村田怜 | 32 前田蓮 | 33 十文字蒼空 | 34 大崎聖弥 | 40 河合基博 | 41 西郷悠輔 | 44 中田陸 | 48 風間由伸 | 58 マロッキ | 60 平野翔悟 | 61 大下将俊 | 63 重本駿斗 | 64 北村蓮 | 65 高瀬知規 | 67 大野翔 | 69 アリアス | 98 花田広生 | 99 ミランダ |
捕手 | 2 結城智也 | 22 子日貴啓 | 38 西尾隼汰 | 52 原敬志朗 | 57 山内航基 | 62 水谷徹 |
内野手 | 0 渡邉貴裕 | 1 清水聖貴 | 5 小野塚将崇 | 6 桜井将希 | 9 渡辺和真 | 10 森本洸佑 | 24 渡辺翔太 | 31 祖父江優也 | 36 澤井夏希 | 39 篠原智隆 | 47 高谷祐希 | 50 川島陽太 | 53 坪内加津佐 | 54 大橋優里 | 55 大下知恭 | 59 杉山悠生 | 70 佐藤涼真 |
外野手 | 7 新田拓也 | 8 上田真悟 | 25 稲垣大翔 | 35 ロドリゴ | 37 牧野敬将 | 42 ジョンソン | 45 山名星芽 | 46 吉竹力弥 | 51 折笠勇気 | 56 原口陽太 | 68 太田一星 | 90 バルデス | 97 岩城俊也 |
育成選手 | |
投手 | 201 広沢武蔵 | 211 石毛千晴 | 215 嶋孝太 | 219 田尻照喜 | 221 前原和希 | 223 浦田尚成 | 225 松尾維斗 | 231 曽我大弥 | 232 渋沢達郎 | 233 権藤崇史 | 234 米倉哲也 | 243 グリエル | 245 ヒメネス |
捕手 | 202 嶋田勇輝 | 203 小倉塁 | 208 宇佐美虎南 | 212 増田創太 |
内野手 | 204 三浦剛 | 205 野口甲斐斗 | 206 工藤大志 | 210 菅歩紀 | 213 三村雄吾 | 214 三村礼士 | 220 丸山竜平 | 226 猪子寛人 | 237 秦航祐 | 244 ペーニャ | 264 日吉健汰 |
外野手 | 209 林瑞樹 | 222 芝晶 | 224 瀬良誠 | 246 イノア |
東海グランパス 2007年ドラフト指名選手 | |
大学生・社会人 | 1巡目:xxx | 3巡目:堤雄輔 |
高校生 | 1巡目:神坂郁祐 | 3巡目:濱田篤司 | 4巡目:斉藤隆彦 | 5巡目:平塚涼 |
育成選手 | 1巡目:xxx |